弱い動物


水族館が好きなので家族で訪れると、ふと感じることがある


・・・・人間社会にも似ているなって


「弱い動物」たちは、群れをつくって生きる習性がある

種の保存を永続的に続けるためには、必要なことなのだろう

イワシの群れを、展示する水槽がある

まるで群れ全体が 巨大な生物であるかのように見える

ときには、不規則ですばやい方向転換をする

これからの弱い動物たちには、一定のルールが存在

していることが、最近の海洋生物学の研究で明らかになっている

1.近くにいる個体と進む方向やスピードを合わせる

2.近くにいる個体との距離を常に一定に保つ。近づき過ぎず、離れすぎず。

3.個体が少しでも 多くいる方向へ向かう


これらの3つのルール付けによって

その大きな群れは まるで意思を持つかのような

複雑な動きをやってみせる

それぞれの個体に仕組まれた プログラムにそって

無自覚に行われている

だが、ひとつひとつの個体は自分自身が 自由意志で動いている

かのような錯角に陥っている


それがまるで人間社会でも同じように行われているなら

とても怖いことのような気がする。


最近では、企業の不祥事としてOLYMPUSの粉飾決算

大王製紙の巨額の借金隠蔽などがある

その原因にも通じるような 集団心理がこれに類似する

人は組織という名目のもとに つながりたくなる習性がある

もちろん、経済の仕組みとして、それは大きな発展効果を示してきた


だが、本質的に弱い人間は 群れが大好きなのであろう

とくに日本人の国民性としては際立っている様子である

都会人は 距離が速度を一定に保ちながら、無意識のうちに

計算づくで、日々を過ごしている

また、その帰結として、個人の意思とは異なる方向へ

動き出してしまうことがある ーーーそれが企業不祥事として

根底に潜む集団心理であったり、集団合議制の弊害である