これ食べる?

 中学生の時代だったかな?

 チョコレートをカバンの中に隠してて

 放課後にガールフレンドと一緒に帰るよう

 誘ったことがある


 ほんとにドキドキしたことがあるな。

 授業中に 小さく折った紙のメモを渡して

 帰り道には・・・正門を通らず 西門から少し

 離れた四つ角で待ち合わせをした。


 さすがに、手を握るなんてできるはずもなく

 河原の土手に 座ったときに取り出すのが

 こんな 小さなチョコレートでした。


 粒ごとなっているのがいい・・・

 板チョコは、 いつの間にかカバンの中で

 バラバラに砕けてしまっているから・・・カッコ悪い。


 このつぶつぶサイズの やりとりに・・・

 まだ、不安げな気持ちのやりとりがあった。

 
 そっと袋から破って、そのまま眼の前に差し出すのは

 まだ、交際1ヶ月未満。

 そして、その粒チョコを自分で つまんで

 彼女の手のひらに乗せてあげるのが 交際2ヶ月以上


 さらに、粒チョコを つまんでもらって

 自分の口に入れてもらうのが もう交際3ヶ月以上。


 それから先は・・・・どうだっただろう?





 やっぱり このチョコにある絵文字どおりに

 【L・O・O・K】

 チョコをつまんで・・・お互いに数秒間

 始めて見つめ合うことができる どきどきの時間かな。


 携帯電話も メールもまだ無かった時代には・・・

 手書きのメモや・・・緊張しまくりの自宅への電話しかなかった。


 このLOOKの4種類の味・・・一口サイズの粒チョコは

 それ以上に変化する 恋の味を 楽しませてもらった気がする。


 そうそう

 最後には、 ビターなほろ苦い味になったことも

 忘れはしない・・・